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「どうなっちまうんだろうな、俺たち」


夜が明けて、僕は隣に寝ていた彼に肩を揺すられ、起き上がった。

あまり働いていない頭で、得意の微笑を浮かべて答える。


「これからも涼宮さんのお世話になっていくことは間違いないと思われますね」
「ハルヒの世話をするのは俺らだと思うがな。それに俺らがお世話になってんのはハルヒじゃなくて長門だ。」

仰るとおりです、と僕は呟いた。



彼はアイテテテ‥‥と腰を押さえて立ち上がり、カーテンを開ける。




そこにはまるで筆で描いたような白い筋雲の通る綺麗な青空が広がっていた。












「きれいですね、空」











また突拍子もなく呟いた僕に彼はきょとんとした顔をする。



「あ‥‥あぁ。なんだよいきなり‥‥」




「いえ‥‥ただ」












「いつか貴方と同じ立場になって、もう一度こんな空が見たいです」





こんな綺麗な青空を目の前に、僕は本音を言わないではいられなかった。

すると窓際にいた彼は僕の目の前までズカズカと歩いてきて、目を細めて訝しそうに僕の目を見つめた。









「‥‥なんだよ、同じ立場って」










「僕は貴方が好きなんです」

答えになっていないことを承知で、僕は言った。




「・・・・・・・・・・・・・なんだよいきなり。そんなこと――――」



僕は反応に困っている彼の顔を見つめた。












―――― 僕は今、どんな顔をしているのだろうか。



そんなことを察することすら出来ない程、何故か僕には余裕がなくなっていた。

胸の奥から湧き出る衝動のままに、呆然と立ち尽くした彼を抱き寄せる。







「涼宮さんにも、朝比奈さんにも、長門さんにも・・・・誰にも渡さない―――」

「貴方のこんな姿 誰にも見せたくない、触らせたくない、僕だけが独占していたい・・・・・・・・・・・」












「おい、どうしたんだよ・・・・・・・・・・・・・古泉っ・・・・・・・・・・・・」


様子がおかしいと感じたのか、彼は慌てた声で僕を引き剥がそうとする。
















「得体の知れない能力を持つ僕なんかが貴方とこんなこと・・・・・・・・してはいけないのに―――――― 」


















そう口走った瞬間、いきなり 僕は彼に突き飛ばされた。

案の定彼は今にも怒鳴りだしそうな険相を浮かべている。

短期間のうちに色々な感情を感じすぎて
自分の心の容量が一杯になってしまっていたのだろうか。


かっこわるい姿を、彼に―――― 一番見られたくない人に見られてしまった。


何か解決策はないか、そう必死に考えていると、いきなり彼に胸ぐらを捕まれ、彼は強引に僕の顔を引き寄せた。













「‥‥っ‥‥‥‥‥・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・?!・・・・・・」
















与えられたのは拳でも罵声でもなく、









彼からのキスだった――――。







それはきっとたぶんこれが初めてで。
僕がいつになく混乱していると、彼は頬を赤らめて、だがいつになく真剣な表情を浮かべて言った。














「俺とお前はなにも違わない。例え違ったとしても 」






















「それでも俺はお前が好きだ」





だからもう二度とそんな淋しいことを言うな 
























彼はそう言って唖然としている僕を乱暴に抱き締めた 
















「やはり優しいですね、貴方は」

僕は彼の腕に抱かれながらそう呟いた。











涼宮さんから貴方を奪いたいだなんて‥‥ こんな気持ち、知らなければ良かったのに・・・・・・・・ 



彼の温もりを感じながら、
離さなければいけない、許されるわけが無い、・・・・・・

そんなことを思わなくて良い日常は訪れるのだろうか。

訪れるとしたら それはいつなのだろうか。



叶う検討も付かない希望を持つほど
僕は浅はかな人間だったのだろうか。











だけど今は 











今だけは――――― 













この温もりに甘えていたい











そんなことを思って、僕は無言で彼の背中に回した腕に力を込めたのだった。







                     
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